読後感想的な何か。ー 彼女は一人で歩くのか?
森博嗣氏の「彼女は一人で歩くのか?」を読了。
ほとんど人間と見分けがつかなくなったウォーカロン(人工生命)と、子供が生まれなくなって、永遠の命を生きる人間の世界のお話。
だいぶん未来のSFのお話だけど、人工知能や、人型ロボットや、万能細胞や、再生医療のニュースを見ていると、部分的にだけど、その方向に進んでいるんだろうなという気がする。
技術的にはもっと可能なことも、倫理的な問題で歯止めがかかっている部分もあるんだろうけど。
倫理的な問題…何故かは私には理解出来ないけれど、こういうことには断固拒絶する人達っているよね。これも何故かは分からないけれど、イメージ的には女性…おばちゃん…が多い印象。
そういえば、昔、大学生の頃、教授が、遺伝子組み換え作物の一般市民向けセミナーで話をしたら、凄い怒ってるおばちゃんがいたって話を思い出した。
突然変異で進化した植物も、人工的な変異で進化させた植物も、あんまり変わらない気がするけど。 どっちにしろ、長い目で見れば生命は変わっていくし、弱いものは淘汰されていくし、保存したいのであれば、凍結保存でもして守っていくしかないけど、それもあまり意味のあることなのかわからない。 そうやって変わっていくことが、この世界の自然なのだから。
人間が人為的に…っていうところに引っかかるのかもしれないけど、この世界に人間が誕生したということも、その人間がどう進化してどういう行動をするかも、それもひっくるめて、そうなったことが、自然であり運命であるような気がする。 あまり足掻いても意味がないのかな…と。
しかし、森博嗣氏は真賀田博士というキャラクターを愛しているんだね。 まさか、この作品にまで登場するとは思わなかったよ。
あと、永遠の命なんて、絶対に欲しくないね。精神的に耐えられない。
彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ)
- 作者: 森博嗣,引地渉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/10/20
- メディア: 文庫
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