miatt’s diary

人生模索中のうつ病ニート女子の日記。

読後感想的な何か。- 喜嶋先生の静かな世界

森博嗣氏の「喜嶋先生の静かな世界」を読んでからしばらく経つ。

改めて、凄く読みやすい作品だったと思う。

話の中心は、主人公の大学、大学院時代の研究生活(研究分野は工学系)と、その周りの人間模様、それから、研究を純粋に愛する喜嶋先生(所属研究室の助手かつ、直属の担当教官)との出会い、関わりの話。

大学の研究生活の話は本当に目の前に思い浮かぶようで、おそらく作者の実体験に基づいているんだろうけれど、私も仮にも分野は違うものの理系修士卒なので、凄く懐かしい空気感を味わえた。

しかし、私の場合は優等生だったのは学部の時までで、修士課程に入ってからは、実験も就活も何もかも上手くいかなくなって、ドロップアウトしそうになった…いや、実質的にほとんどしてた…ので、本作のように純粋に研究にのめり込める時間を過ごせたのは本当に羨ましく思う。

所属する研究室によって全然違うからなぁ…本作の中村さんのように面倒見のいいドクタがいるとか、担当教官とも距離が近いとか、理想的環境すぎる。

まぁ、そんな風に昔を振り返ってしまうほどに、リアルな研究生活の描写や、ヘンコと言えばヘンコな、純粋に研究を愛している喜嶋先生の、ちょっと俗世から浮いてる感じ、でも永遠にそのままの崇高さでいてください!みたいなキャラや、何か凄い事件が起こるわけじゃない、日常のお話なのに、するする読ませる感じとか、本当に良作だなぁと思った。

ただ、ネタバレしちゃうけど、最後に沢村さん(大学の研究センターの美人技官で、喜嶋先生が好きだった人で、別の男性と結婚するが、離婚後、喜嶋先生と再婚する…という女性)が自殺したらしいっていうのを聞いたってあって、そこだけは、うーん、これはどう捉えたらいいんだ??ってなった。

助教授になったものの、研究を愛しすぎていた故に、自分自身が研究をするということから離れていくということが嫌で、大学をやめた後の喜嶋先生との間に何があったのか…

あまりにも研究の世界に全身を捧げている喜嶋先生との生活に孤独を抱えてしまったのか…

うーん、そこだけはやっぱりわからないままだろう。